きりんさんパパのあくび

共働きで二児の子育てに追われるパパの雑記。育児ネタ、簡単料理、家庭菜園、DIY、商品紹介など色々と書いています。作業療法士というリハビリの仕事をしています。

油断は無いか。もしもの時に聞こえるのは大切な人の声だと信じて。

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新年度のはじまりですね。娘は小学校の入学式まであと数日となりましたが、一足早く明日から民間の学童に通う事になります。共働きだと学童問題は切実ですね。お迎えの時間など勘案して、我が家では小学校の学童と民間の学童を併用する事に決めました。

「大丈夫だろう」から「絶対に大丈夫」にする

今月からは民間の学童から英語教室まで一人で歩いて移動しなければならないのですが、まだ娘は一人で行った事がありません。先日、妻から「英語教室から民間の学童まで一人で歩かせてみて。口で何回も言ってるから大丈夫だと思う。」と言われたので、一人で出来るかチェックしに行きました。私も「距離も短いし、道も知っているので大丈夫だろうな」と思いましたが、自分一人でやらせる前に、一緒に英語教室から民間の学童まで歩いてみる事にしました。

「ここは車がたくさん通るから歩道橋を渡るんだよ。」

「ここはエレベーターがあるけど、知らないおじさんと二人になったりすると危ないから、ここの階段を使うんだよ。」

と、一つ一つ確認しながら一緒に民間の学童まで歩きます。一緒にやる事と、その場で注意点を聞かせる事によって、記憶の定着を図る事が出来ます。

今度は、今来た道を反対に、民間の学童から英語教室まで一人で歩かせてみます。私は車の通りの多い道を横断歩道を渡って一足先に英語教室の前で待ちます。

しばらくすると何事もなく娘はやってきました。一人でも大丈夫そうです。

何気ないエピソードのようですが、実はリハビリの中ではよくある訓練方法です。動作獲得には段階付けと言って、簡単な事から少しづつ課題の難易度を上げてゆく手法があります。

段階付け

①お手本を見せる

②一緒にやってみる

③手伝いながら本人にやってもらう

④声掛け誘導しながら本人にやってもらう(手伝わない)

⑤自分一人でやらせてみる

こんな感じになります。

リハビリに限らず動作獲得には「大丈夫だろう」ではなく「絶対に大丈夫」という裏を取る事が大切なのです。「なるほど。よく分かった!」なんて思いながら授業を聞いていたけれど、実際に問題を解いてみたら全然分かっていなかった、なんて事ありますよね。「出来るつもり」「出来ると思う」が一番危ないパターンなのです。

油断は無いか

2018年1月に兵庫県で5歳の男の子が乗用車にはねられて亡くなりました。男の子は近くのお店にアイスクリームを買いに行く途中だったそうです。

13日午後5時20分ごろ、兵庫県西宮市山口町中野1丁目の県道で、近くに住む尾川大翔(ひろと)君(5)が乗用車にはねられ、14日午前3時50分ごろに搬送先の病院で死亡が確認された。
 西宮署は、車を運転していた西宮市すみれ台1丁目のパート、正親(おおぎ)美智代容疑者(66)を自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕し、同致死容疑に切り替えて調べている。
 署によると、現場は片側1車線の直線道路。大翔君は信号機のない横断歩道を渡り、近くの店に1人でアイスクリームを買いに行く途中だったという。目撃者の情報などから、大翔君は左右を確認して横断を始めたが、はねられて転倒し、車の右前輪に巻き込まれたとみられている。正親容疑者は「気づいた時には、大翔君が目の前にいた」と供述し、容疑を認めているという。

本当にいたたまれない事故で、同じ年代の子供を持つ親として、他人事とは到底思えない悲しい事故でした。

当時、インターネットでも大変話題になったので覚えている方も多いと思いますが、誰が悪いみたいな話はするつもりはありません。ただ、この事故で一つ確実に言える事は、「一人で大丈夫だろう」という親の予測が外れたという事です。

どんなに気を付けていても、起こってしまうのが事故です。でも、「一人で大丈夫だろう」という判断に至るまでに親として最善を尽くしていたのか。そこが大切なのです。もし、仮に安易な判断であったとすれば、それは親の油断であるし、後悔しか残らないと思うのです。

事故の多くが「大丈夫だろう」という油断です。いつも車が来ない道路でも、左右を見ないで100回、1000回、10000回と渡っていたらいつかは事故に合うかもしれないのです。これは完全に確立の問題です。気を付けていても起こるものだけど、気を付ける事で事故に合う確率を下げる事は出来るのです。 

もしもの時に届くと信じて

今回、娘の英語教室から学童までの短い距離ではありますが、一人で出来るかをチェックしました。事故が起こるかどうかなんて誰にも分からないけど、人生のターニングポイントで聞こえてきたのは大切な人の声だった気がします。もしもの時に、パパの言葉が必要のない事故を防ぐかもしれないと信じて、娘にはたくさんの言葉をかけてあげたいと思っています。