きりんさんパパのあくび

共働きで二児の子育てに追われるパパの雑記。育児ネタ、簡単料理、家庭菜園、DIY、商品紹介など色々と書いています。作業療法士というリハビリの仕事をしています。

【お絵かき】自分のお子さんがどこから絵を描き始めるか知っていますか?絵を描くという作業には成長のヒントがたくさん詰まっています。

「このイラストを画用紙一杯に書いて下さい」と自分のお子さんに言ったら、どこから書き始めると思いますか? 

f:id:kirinsan-papa:20180410103920j:plain物の見方にはお子さんそれぞれに傾向があって、年齢が上がってゆくに従って広い範囲を、細部を、観察できるようになっていきます。

リハビリでお子さんの絵を描く様子を観察していると、とっても興味深いんですよ~。真ん中から描いていく子、端っこから描いていく子、ず~っとブドウだけを描き続ける子、中にはバナナを赤く塗る子も、本当に個性豊かでいつも「そうきたか~」なんて思いながらいつも見守っています。

リハビリでは絵を描く事を通して色々な事を評価しているのですが、概ね以下のような事を重点的に評価しています。  

子供の観察ポイント

①見え方の傾向

②物の認知

③注意力

④指先の器用さ

脳の発達や指先の機能の発達に伴って年齢が上がるにつれてだんだん上手になりますし、その子供の個性でもあるのでそんなに気にする必要もない事が多いのですが、中には年齢の割に「あれ?」という場合もあるので、そんな時は適宜パパママにその子の特徴などをアドバイスするようにしています。 

例えば、 

見え方の傾向

どこから描き始めるのか、同じ部分だけ描いてないか、画用紙のサイズに対して適切な大きさで描けているか、などを見ていきます。ず~っと一か所だけに固執していたり、画全体のバランス感覚が悪いと、「ちょっと物の見え方に偏りがあるのかな~」とか「立体が苦手そうだな~」なんて評価をしてパパママに伝えてあげるのです。「障害があります」という事ではなくて、「小学校の高学年や中学生になった時に、もしかしたら図形の問題でつまずく事があるかもしれません。その時はここで聞いた事を思い出してみて下さいね。」と伝えます。お子さんの物の見え方の傾向を伝えてあげる事によって、親御さんはその点に注意をしながら子育てをする事が出来るのです。事前に情報がある事によって苦手な部分が目立って来た時には迅速に専門家に相談する事が出来ますし、苦手が分かっていれば事前に対策をする事も出来ます。例えば、パズルなんて物の全体を見る事が苦手な子供のリハビリ課題にはぴったりですよね。 

物の認知

物体を意味のある物体として認識しているか。例えば、バナナは果物であるとか、黄色い皮をむいて食べる果物です、とかです。もちろん、バナナを赤く塗ってもいいんですよ。ただ、年齢や全体の状態を評価して気になるようでしたら親御さんにお伝えするようにします。「バナナが黄色い果物である」という事が小学校に上がる頃に理解出来ていなければ、個性と言えども一般的には正常発達から少し外れていると判断できるからです。

注意力

集中して絵を描く事が出来ているか、ちょっとの音で気が散らないか、画の全体に気を配れているか、絵の細部はどの程度描けているのか、などです。一般的に注意力が無いというと「うっかりさん」なイメージを持たれるかも知れませんが、医療の世界における注意力とは結構奥深くて、様々な動作のベースになる機能でもあるので特に注意深く観察します。 

指先の器用さ

鉛筆の持ち方が正常かな、筆圧はどうかな、枠をはみ出さずに力をコントロール出来ているかな、なんてところを見ています。意外かも知れませんが、指先の器用さと脳の発達は密接に関係していたりするのです。

ご自宅でお子さんのお絵かきを観察する時、「どこから塗るかな?」なんて気にしてみると思いもよらぬ発見があるかも知れませんよ (^^♪