きりんさんパパのあくび

共働きで二児の子育てに追われるパパの雑記。育児ネタ、簡単料理、家庭菜園、DIY、商品紹介など色々と書いています。作業療法士というリハビリの仕事をしています。

伝える技術

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リハビリの仕事では、患者さんに症状の説明や訓練の意味について説明をする機会が多いです。そこで気をつけているのが、相手に合わせた伝え方です。

耳の悪いお年寄りには大きな声でゆっくりと…なんてベタな工夫は当然の事ながら、伝えた方がいいのか、伝えない方がいいのか、どこまで伝えるべきか、分かりやすく例えるならどうなるか、など様々な事を考えながら患者さんと接しています。

知識をひけらかしたり、難しい専門用語を並べて相手のマウントを取ろうとする療法士はまだまだですね。細かいあれこれは治療者の方がしっかりと理解していればいいので、相手に合わせた伝え方をしっかりと出来る事こそ真のプロフェッショナルであると考えています。

「どんな病気ですか?」と患者さんに問われた時に、その病気を知らなければ患者さんに説明する事が出来ません。「どんな症状が出ますか?」と患者さんに問われた時に、症状を知らなければ患者さんに伝える事は出来ません。当たり前の事ですが、知らない事を人に説明する事は出来ないのです。今はインターネットで誰でも簡単に知識が得られるので、初めて訓練室でお会いした時点である程度自分の病気の事を知っている患者さんがほとんどです。ですので、常に研鑽して知識を磨いていかなくてはならないし、その伝え方も研究していかないといけないと思っています。f:id:kirinsan-papa:20180413170055j:image

「このお弁当を説明してみて下さい」と言われた時に、どのように説明するでしょうか。ちなみに、このお弁当は幕の内弁当です。まず、「幕の内弁当とは白飯と数種類のおかずからなる弁当である」という事を知らなければ、このお弁当が幕の内弁当であると相手に伝える事は出来ませんよね。「どんな病気か説明してみて下さい」と言われた時も同じで、全体像を理解していないと患者さんに病気を説明する事は出来ません。

次に、「どんなおかずが入ったお弁当ですか?」と聞かれた時に、なんと答えるでしょうか。上のお弁当だったらまず「エビの天ぷらが入っていて…」とか「焼き鮭の切り身が入っていて…」とか答えますよね。メインのおかずから説明した方が、利き手はお弁当の内容をイメージしやすいのです。いきなりご飯の上に載っているおしんこの話をされたらちょっと微妙ですよね。

でも、「この病気はどんな症状が出ますか?」と問われた時に、いきなりご飯の上のおしんこの話をしてしまう場合があるのです。要するに本質を捉えられていない。患者さんに説明するという事は、ただ知識があるというだけではなくて、全体像を捉えた上でメインとなる症状を分かりやすく伝える必要があるのです。 患者さんが理解出来る形で伝えるという事は、知識とは別の技術が必要なのです。

仕事でたくさんの患者さんと接します。学生を指導する機会も多いです。学会で発表もします。自分の仕事を振り返ってみると、とにかく他人に伝える機会が多い事に気付かされます。伝える事が仕事であると言ってもいいくらいに、一日中誰かに何かを伝えています。伝える機会が多いからこそ、伝える技術を磨きたい。

ブログを書く事も、アウトプットする事を通して伝える技術を磨ける事に価値を感じています。自分の考えている事を他人に伝える事。そして、それが一方通行では無くて、スターであったりコメントであったり反応を頂ける事がブログを継続するモチベーションになっています。本当にありがたい。

朝の限られた時間の中で文章を完結させる事は私にとって難易度が高く、自分の文章力の乏しさを痛感する毎日です。記事をアップした後に「ちょっとイマイチだったな...」なんて事もあるのですが、他人に読んで頂いているという事を意識した文章を心がけたいと思っています。誰か一人にでも刺さる文章を書けるように、日々精進したいと思っています。いつも読んでくれてありがとう。感謝 (^^♪