きりんさんパパのあくび

共働きで二児の子育てに追われるパパの雑記。育児ネタ、簡単料理、家庭菜園、DIY、商品紹介など色々と書いています。作業療法士というリハビリの仕事をしています。

【実録】アラフォーのメタボおじさんがフルマラソンを完走するまでの道のり(完結編)

何かを変えるきっかけが欲しくて

子供の保育園や学童への送り向かえを行う時短パパ生活にもすっかり慣れてきましたが、家事育児に追われて何となく仕事に対して全力投球出来ていないような気持ちを抱えながら日々が過ぎていきます。頑張っていない訳では無いのですが、若い頃と比べて挑戦する事が少なくなっている自分に若干の後ろめたさのようなものを感じるとでも言うべきでしょうか。

いわゆるアラフォー世代になると、身体の劣化を感じる事が多くなります。でも、いい意味で丸みを帯びて(体型の事じゃないよ^ ^)、適度に省エネ運転しながら仕事をこなせるようになるのも我々の年代の特徴です。

仕事だけに全力投球する事は出来ないけど、「家事も育児も仕事も頑張ってるんだぜ。」「早く家に帰るのはやる気がない訳じゃ無いんだぜ。」と、気力は死んでないんだぜ的なものを証明したい気持ちが募ります。

そこで思いたったのがフルマラソン挑戦でした。フルマラソンを完走すれば見える景色が変わるかも知れない。チャレンジする姿勢を若い子達に見てもらう事が出来るかもしれない。そんな理由でフルマラソンの大会にエントリーする事にしました。

何から始めればいいのか分からない

そもそも長い距離を走る事が嫌いです。42.195㎞を走るという事は自分にとって大きなチャレンジです。マラソンなんて高校生の時に嫌々参加した校内のマラソン大会(10㎞)が最後です。でも、決めたからにはやるしかない。

子供達の送り迎えをしている関係できりんさんパパに与えられた時間は子供が寝ている間の早朝のみ。とりあえず仕事に行く前にランニングを始める事にしました。

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早朝の河川敷

まずは近所を5㎞ゆっくりと走ります。が、すぐに膝に激痛が走ります。ほとんど走ってないのに、あっと言う間に膝を負傷して歩くのがやっとの状態になってしまいました。仕事に支障をきたしてはいけないで、膝の痛みが落ち着くまでしばらく早朝のランニングはお休み...のような事を何度も繰り返しました。そして、膝の負傷を何度か繰り返してようやく気が付いたのです。

「5㎞をランニングする事は今の私の肉体に対しては負荷が強過ぎるのではないか」

普段仕事で患者さんの身体機能について考え、トレーニングを指導しているにも関わらず自分の身体については無頓着でした。

「私の筋肉が、関節が、自らの体重を支えるに足る耐久性を有してない。」

↑もっと早く気付け ^^;

走る事を一旦やめて、まずは歩く事にしました。タイムを求めずにあくまで続ける事が目標です。すると段々と膝の痛みは治まっていき、軽めのランニングであれば5㎞くらい朝飯前でこなせるようになっていきました。一日10㎞頑張って故障で1週間休むくらいなら、毎日無理なく5㎞走った方がいい。一度怪我をしてしまうとしばらく走れなくなってしまうので、とにかく怪我をしない事を最優先にしました。ちょっとでも足に違和感を感じたら無理をしない。誰かが「ランニングとは小さなジャンプの連続である」と言っていましたが、本当にその通りです。一歩一歩は小さな負荷であっても繰り返す事で大きな負荷になってしまいます。フルマラソンのような長い時間走らなければならない場合には特に気を付けなければなりません。

ランニングは自分と向き合う貴重な時間 

走る事は始めるハードルが最も低い運動です。特に道具を用意しなくても、誰でも今すぐに始める事が出来ます。しかし、走る事に意味を感じる事が出来なければ続ける事はとても難しいのです。走る目的は人それぞれだと思いますが、「走る事は苦しい事→走る事は楽しい事」への意識の変換がとても大事だと思います。例えば、音楽を楽しみながら走る、美しい景色を楽しみながら走る等がおすすめです。

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沖縄での旅ラン

星空の残る朝焼けの中、静かな街並みを走るのは気持ちがいいものですよ。朝から晩まで患者さんと話をしているので、静寂な時間というのが私にとっては何よりの気分転換になっています。

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みなとみらいの街並み

忙しい日々に追われていると、なかなか自分と向き合う時間を作る事は難しいですよね。一日の中に少しの時間でも一人で過ごす時間を持つという事は、実は結構贅沢な事だったりするのです。

フルマラソンは人生の縮図のようである

怪我をしない事を目標にコツコツと早朝のランニングを続け、本番前には20km位であれば走り切る事が出来るようになりました。練習でフルマラソンの距離を走るのってかなりハードルが高いんですよね。結局、20km以上は未知の状態のまま本番を迎える事になりました。距離の不安はありましたが、怪我をしない事を最優先にトレーニングした結果、身体のどこも痛くない状態で本番に臨む事が出来た事で気分的にはだいぶ楽になれたと思います。結局、大きなトラブルもないまま42.195kmを楽しく走り切る事が出来ました。

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フルマラソンを完走して、今までに感じた事のない大きな達成感と自信を得る事が出来ました。レース中は楽しい時も苦しい時もあります。時には足が痛くて休まなければいけない事もあります。それでも一歩一歩前に進む。ただ黙々と走る42.195kmの道のりは、まるで人生の縮図のようです。タイムは求めない、自分のペースで淡々と走る、楽しく走る。

フルマラソンには人生を変える力がある

フルマラソンを完走した事で見える世界が大きく変わりました。おじさんでもコツコツと頑張れば大きな目標を達成出来る事を知りました。

〇早寝早起きの規則正しい生活

〇心地よい空腹感での起床

〇劇的に美味しく感じる朝ごはん

〇適度な酒量

〇健康診断の良好な結果

〇ダイエット効果

〇朝一番から集中して仕事に取り組める

フルマラソン完走を目指した結果「適度な運動習慣と生活習慣の改善」につながりました。特にダイエットを目的としてランニングを始めてもなかなか続かなかった私にとって、ダイエット効果がみられた事は嬉しい誤算でした。フルマラソンには人生を変える力がある。皆さんも一緒に朝のランニング始めてみませんか ^^v

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42.195㎞を共にした相棒

※初心者のシューズ選びはとても大事です。私もどのシューズを選べばいいか分からずにインターネットで調べたり実際にたくさんのシューズに足を通しました。私が最終的に選んだシューズがアシックスのゲルカヤノです。アシックスは日本人の足に特に合うシューズを作る事で定評があり、その中でも初心者向きのシューズであるゲルカヤノはクッションがしっかりしており初心者がランニングを始める際にはおすすめです。

出来ない理由を説明するという事

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ご無沙汰しております。きりんさんパパです。

訳あってしばらくブログを更新出来ずにいました。

 

昨年の年明けあたりには「うぉぉぉー」って勢いよくブログの更新をしていたのに突然ブログの更新を止めてしまったので、きりんさんパパは失踪したと思っている方もいるかと思いますが何とか元気にやっております。

 

ブログの更新を出来ずにいたと言いましたが、正確にはブログの更新を自粛していました。理由はある読者の方を傷つける記事をアップしてしまったからです(当該記事は削除済みです)。

 

故意ではないにしても自分自身の文章で他人を傷つけてしまったという事に大きなショックを受け、文章を書く気持ちになれなくなっていました。

 

私は作業療法士(リハビリ)なので、患者さんの「出来ない」理由を分析して再び出来るよう手助けをする専門家です。職業病かもしれませんが、人の「出来る」「出来ない」理由を言語化する習慣が身についているのです。出来ない理由が身体なのか、頭なのか、心なのか。呼吸をするくらい自然に、人の「出来る」「出来ない」を分析しながら生きています。

 

リハビリに来る患者さんは大人であれ子供であれ何かしらの動作が出来なくなり(もしくは初めから出来ず)、その動作を再獲得(もしくは獲得)する為にリハビリ室にやってきます。効率的にリハビリを進める為に動作が出来ない理由を分析し、可能な限り患者さんに納得して頂けるよう説明を行った上でリハビリを進めます。言ってしまえばリハビリという仕事は「出来ない理由を分析」→「患者が納得出来るように説明」という作業の繰り返しなんですよね。

 

リハビリ関連の記事を作成する時にも同じ流れで記事の作成を行います。私の記事を読んでくれる読者の方は、きりんさんパパという作業療法士としての視点に期待して記事を読んでくれる方が多いです。実際にリハビリに通っている方やお子さんの発達に不安を抱いているママさんからコメントを頂く事もあります。

ですので、患者さんに説明する時と同様に、「出来る理由」「出来ない理由」をなるべく分かりやすく説明するように心がけています。

 

しかし、思慮が欠けていたのです...

 

先ほど「患者さんに説明する時と同様に」と言いましたが、ブログの読者の多くは患者では無く健常者(障害の無い方)です。リハビリ室にやってくる患者さんは自分のおかれている状況を理解している人が多い(対象によりますが...)のに対して、ブログの読者のほとんどは健常者であるので、患者と同じように出来ない理由を勝手に分析されてその理由を説明されたらカチンとくるのは当然の事です。忘れ物が多い人に「お前は注意力が無い」「お前は記憶力が悪い」と言えばケンカになってしまいますよね。同じような文章を私は書いてしまいました。

 

ブログというのは不特定多数の方が目にするものなので、文章の内容には気をつけなければなりませんね。

 

記事の更新をお休みしている間にもコメントをくれたり読者登録をしてくれたりする方がいて本当に嬉しかったです。顔が見えない関係ではありますが、待ってくれている人がいるって嬉しいものですね。

 

これからは力まずに(重要^^;)、のんびりと記事をアップしていこうと思っています。 

伝える技術

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リハビリの仕事では、患者さんに症状の説明や訓練の意味について説明をする機会が多いです。そこで気をつけているのが、相手に合わせた伝え方です。

耳の悪いお年寄りには大きな声でゆっくりと…なんてベタな工夫は当然の事ながら、伝えた方がいいのか、伝えない方がいいのか、どこまで伝えるべきか、分かりやすく例えるならどうなるか、など様々な事を考えながら患者さんと接しています。

知識をひけらかしたり、難しい専門用語を並べて相手のマウントを取ろうとする療法士はまだまだですね。細かいあれこれは治療者の方がしっかりと理解していればいいので、相手に合わせた伝え方をしっかりと出来る事こそ真のプロフェッショナルであると考えています。

「どんな病気ですか?」と患者さんに問われた時に、その病気を知らなければ患者さんに説明する事が出来ません。「どんな症状が出ますか?」と患者さんに問われた時に、症状を知らなければ患者さんに伝える事は出来ません。当たり前の事ですが、知らない事を人に説明する事は出来ないのです。今はインターネットで誰でも簡単に知識が得られるので、初めて訓練室でお会いした時点である程度自分の病気の事を知っている患者さんがほとんどです。ですので、常に研鑽して知識を磨いていかなくてはならないし、その伝え方も研究していかないといけないと思っています。f:id:kirinsan-papa:20180413170055j:image

「このお弁当を説明してみて下さい」と言われた時に、どのように説明するでしょうか。ちなみに、このお弁当は幕の内弁当です。まず、「幕の内弁当とは白飯と数種類のおかずからなる弁当である」という事を知らなければ、このお弁当が幕の内弁当であると相手に伝える事は出来ませんよね。「どんな病気か説明してみて下さい」と言われた時も同じで、全体像を理解していないと患者さんに病気を説明する事は出来ません。

次に、「どんなおかずが入ったお弁当ですか?」と聞かれた時に、なんと答えるでしょうか。上のお弁当だったらまず「エビの天ぷらが入っていて…」とか「焼き鮭の切り身が入っていて…」とか答えますよね。メインのおかずから説明した方が、利き手はお弁当の内容をイメージしやすいのです。いきなりご飯の上に載っているおしんこの話をされたらちょっと微妙ですよね。

でも、「この病気はどんな症状が出ますか?」と問われた時に、いきなりご飯の上のおしんこの話をしてしまう場合があるのです。要するに本質を捉えられていない。患者さんに説明するという事は、ただ知識があるというだけではなくて、全体像を捉えた上でメインとなる症状を分かりやすく伝える必要があるのです。 患者さんが理解出来る形で伝えるという事は、知識とは別の技術が必要なのです。

仕事でたくさんの患者さんと接します。学生を指導する機会も多いです。学会で発表もします。自分の仕事を振り返ってみると、とにかく他人に伝える機会が多い事に気付かされます。伝える事が仕事であると言ってもいいくらいに、一日中誰かに何かを伝えています。伝える機会が多いからこそ、伝える技術を磨きたい。

ブログを書く事も、アウトプットする事を通して伝える技術を磨ける事に価値を感じています。自分の考えている事を他人に伝える事。そして、それが一方通行では無くて、スターであったりコメントであったり反応を頂ける事がブログを継続するモチベーションになっています。本当にありがたい。

朝の限られた時間の中で文章を完結させる事は私にとって難易度が高く、自分の文章力の乏しさを痛感する毎日です。記事をアップした後に「ちょっとイマイチだったな...」なんて事もあるのですが、他人に読んで頂いているという事を意識した文章を心がけたいと思っています。誰か一人にでも刺さる文章を書けるように、日々精進したいと思っています。いつも読んでくれてありがとう。感謝 (^^♪